レイ・カーツワイル、NHK出版編『シンギュラリティは近い:人類が生命を超越するとき[エッセンス版]』NHK出版、2016年、254頁
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本書は、未来学者である著者が、これから「テクノロジー」はどのように発展していくのかを知るために、AI、遺伝学、ナノテクノロジーやロボット工学の「指数関数的進化」から導き出した予測です。
今後「コンピューターの性能が急速に発達することで、AIが人間の知能を超える」時がやってきます。
この転換点が「シンギュラリティ(技術的特異点)」と呼ばれています。
そのシンギュラリティは「2045年に到来する」と著者は予測しています。
いわゆる「2045年問題」です。
1kgのコンピューター1台の性能が「人類の脳の合計」をはるかに超える時代の到来です。
「シンギュラリティとは、われわれの生物としての思考と存在が、みずからの作りだしたテクノロジーと融合する臨界点」です。
「シンギュラリティに到達すれば、我々の生物としての身体と脳が抱える限界を超えることが可能」になり、「死という宿命も思うままにでき、好きなだけ長く生きることができる」と書かれています。
「テクノロジーと融合する」ことにより、人間は現在の「バージョン1.0」から「2.0」へ、そして「3.0」へと移行が進むとされています。
たとえば、バージョン2.0は、血液内に入った「ナノボット」が「病原体を破壊し、DNAエラーを修復し、毒素を排除」してくれます。われわれは、「老化することなく」健康のまま「永遠に生きられるようになる」という状態です。
さらに進化してバージョン3.0になるようです。
「シンギュラリティ以後の世界」は、どのような世界か?
シンギュラリティの後に来る時代は「脱人間(ポストヒューマン)」なのか?
未来の姿を知り、考えるには、刺激的な内容でした。