私たちの体は食品添加物におかされている

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私たちの体は私たちが食べたものでつくられていますが、ここ数十年で大きく変化しています。それは、私たちの食事が食品添加物だらけになってしまい、私たちの体もまた食品添加物を多く取り込んでしまっているということです。

お菓子、加工食品、コンビニ弁当、スーパーのお惣菜。これらの食品にはたくさんの食品添加物が使われていますが、日本の食品添加物の表示は非常にあいまいで、どのような食品添加物が使用されているのかを消費者は知る由もありません。

さらに、ファーストフード店やファミレスで出される料理にはかなりの食品添加物が含まれますが、これも一般消費者は何が使われているのかまったく分かりません。

日本の食事は安全だと思っている方が多いかと思いますが、これは大きな勘違いです。実はアメリカやヨーロッパと比べて、日本の食は安全ではないのです。 欧米と比較すると食品添加物の規制は非常にゆるいということはあまり知られていませんし、そういったマイナスな情報を知りたくない、信じたくないという傾向も強いです。これは国の姿勢が消費者の立場に立っていないだけでなく、食品業界を擁護する立場をとっているからです。

例として、食品添加物の香料、乳化剤、調味料(アミノ酸等)などの表記がありますが、この表記はアメリカでは許されていません。実際に含まれる食品添加物の化学名称を表記しなければいけないルールになっていることから、発音もできないような食品添加物がオンパレード状態の食品ラベルをよく見かけます。 しかし、どういうわけか日本では、非常に多くの合成化合物が複数含まれていたとしても、香料、乳化剤、調味料(アミノ酸等)とさえ書けばOKなのです。ラベルが食品添加物だらけだと購買意欲がなくなるのでこのように省略して表記しているのでしょうが、消費者をだましているとしか考えられません。

食品添加物は化学物質ですので、いくつか混ぜると化学反応を起こし“混ぜるな危険”となる可能性があります。しかしながら、添加物の配合に関しては規制がありません。また、調理で加熱することで化学変化を起こすものもあります。

ほとんどのお菓子、加工食品には調味料(アミノ酸等)が添加されていますが、実際は人工的に精製されたグルタミン酸ナトリウムです。グルタミン酸は興奮性の神経伝達物質としても働くことから、取り過ぎた場合や過敏な方の場合、落ち着きをなくしたり、頭痛、吐き気を引き起こしたりすることもあります。 さらに、グルタミン酸は加熱することで化学変化を起こし、健康被害をもたらす危険性が高いのです。

グルタミン酸ナトリウム

加工食品や外食で多用されるうまみ調味料(アミノ酸等)は人工的に精製されたグルタミン酸ナトリウムです。グルタミン酸は天然の食品にも微量に含まれますが、多量に摂ると興奮性のある神経伝達物質としても働くことから、イライラが治まらない、落ち着きをなくしたり、不安症を引き起こすこともあります。研究では、心的外傷後ストレス障害、強迫観念、不安症を抱えている方がグルタミン酸ナトリウムの摂取量を低くすることでそれらの症状の改善が見られました。

うまみ調味料のグルタミン酸ナトリウムはナトリウムを多く含むことから、血圧を上げる作用もあり、血圧が上がることで一層落ち着きがなくなります。 さらに、グルタミン酸ナトリウムは神経の働きだけでなく、頭痛、筋肉の硬直、不静脈、心拍数の上昇、疲労感、痛みの増悪など肉体的な影響も与えてしまい、これら肉体的ストレスが精神的ストレスに追い打ちをかけてしまいます。

食品添加物の役割

そもそも食品添加物が使用される目的は、食品の保存期間を長くしたい、見栄えを良くしたい、コストを落としたい、手間をかけずに美味しくしたいといったもので、そのために大量に投与されます。 食品添加物のうち使用基準の定められているものはほんの一部で、ほとんどの食品添加物がどれだけ大量に添加しても規制されることはないのです。

そしてコストを下げたいという目的から、安い中国製の食品添加物が多くの食品に添加されています。安い食品添加物は純度が低く、原料不明の不純物が多く含まれています。中国製の原料に不純物が多く含まれているのは、添加物だけでなくビタミン剤などのサプリメントにも当てはまります。 ほとんどの消費者の方は、食の安全を考え、中国産の食品を避ける傾向があると思いますが、添加物の原産地を考慮して食品を選ぶ消費者は皆無でしょう。

さらに、プラスチックで梱包されている食品や缶詰の内側に塗布されているプラスチック、ラップ、ペットボトルに含まれるビスフェノールA(BPA), フタル酸エステル、 ポリ塩化ビニルなどは、ホルモンの働きを乱す内分泌かく乱物質であったり発ガン性物質であったりします。 食品添加物が大量に添加された挙句にプラスチックで覆われた食品を電子レンジで加熱するのは非常に危険です。

また、加工食品だけでなく家畜の肉も安全とは言えません。安く、早く、大きく育てようという目的で抗菌剤やホルモンを投与されて育った家畜は安全な食品とは言えません。では魚はどうでしょう。チリで養殖されたサーモンには大量の抗生剤が投与されています。 そのほかにも、中国では日本では使用が許可されていない抗生物質を使用してウナギやエビが劣悪な環境で養殖されています。

これらの危険物質は因果関係を特定している場合もありますが、ほとんどの食品添加物と健康被害の因果関係を特定することは困難です。食中毒のような急性毒性を示さない限り、健康被害を立証することが難しいからです。 そして、食品添加物は単体では毒性を示さなかったとしても、長期間の摂取による健康への影響や、食品添加物に含まれる不純物の健康への影響、食品添加物の化学変化などを総合的に考慮しなければいけません。

食品添加物または環境汚染物質を長年にわたって摂り続けた結果、アレルギー、循環器疾患、精神疾患、内分泌疾患、ガンなどの健康被害を引き起こす人が増えており、今後もこれらの疾患は増えることが予想されます。 そのため、できる限り加工食品、ファーストフード、ファミレス、コンビニ弁当、出来合いの総菜などは食べないようにしてください。

お菓子や外食は食品添加物や化学調味料を使用しない信頼のおけるレストランやお菓子屋さんを利用するか、ご家庭でつくるようにしましょう。保存料、添加物、化学調味料を使わない料理を心がけることで、最適な健康状態を保つことができるようになります。

参考文献

小澤 栄治『専門医が教える基礎から学ぶ自然療法』Independently published 、2024年、223頁

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