ミモレット
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鮮やかなオレンジ色のチーズ、ミモレット。ミモレットの美味しさは、実は「ダニ」による熟成が大きなポイントになることをご存じでしょうか。ダニと聞くと驚いてしまいますが、ミモレットには不可欠な存在です。
北フランスで作られるミモレットは、目にも鮮やかなオレンジ色が特徴です。この色は、植物由来のアナトー色素によって着色されていますが、味わいには大きな影響はありません。
ミモレットの表皮はゴツゴツとして無数の穴が開き、長期熟成のタイプはパラパラと粉が落ちます。
ミモレットは熟成別に下記のような呼び名で区別され、熟成ごとに風味の違いを楽しめます。
Jeune(ジュンヌ):熟成2~6ヶ月
Demi Vieille(ドゥミ・ヴィエイユ):熟成6~12ヶ月
Vieille(ヴィエイユ):熟成12~18ヶ月
Extra Vieille(エクストラ・ヴィエイユ):熟成18~24ヶ月
熟成によって色合いは濃くなり、香りは強くなり、水分量が変わることで食感も異なります。ジュンヌとエクストラ・ヴィエイユでは、別物のように風味が変化します。
若いうちはマイルドでクセはあまりありませんが、熟成が進むと「味噌」や「キャラメル」、「ナッツ」、ボラの卵巣から作られる珍味の「からすみ」に似た複雑性のある味わいになります。
ワインのおつまみはもちろん、日本酒や焼酎に合うチーズとしても人気が高く、お酒好きの方に幅広く愛されています。
熟成によって風味や味わいが大きく変わるミモレット。その表皮には、「シロン」というコナダニが育ち、チーズの熟成に貢献しています。
実はこのダニの働きが、ミモレットの熟成にはとても重要です。
シロンはカビを餌にするため、表皮のカビによる脂肪分解を防ぎます。シロンが作る表皮の凸凹によって表面積が増え、水分コントロールをしながらチーズの熟成が進みます。
ダニというと聞こえが良くありませんが、人を刺すダニとは種類が異なるので安心してくださいね。ダニの存在によって良い熟成が促され、ミモレット特有の風味が作られるのです。