健康によい飲み水はどのような水か?
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水と健康を考える場合、重要な事は水に含まれるミネラルです。水には、カルシウムやマグネシウム、カリウムなどのミネラルが含まれています。カルシウムとマグネシウムの量とバランスが重要なポイントです。マグネシウムが不足したり、マグネシウムとカルシウムのバランスが崩れるとどうなるか。
体の中のミネラルが低い状態になると、イライラが募り、もの忘れが激しくなり、不定愁訴の症状になる。要するに「キレやすく」なります。
私たちがおいしいと感じている名水の多くは、実はミネラル分の少ない水です。人間の味覚を基準に測れば、「ミネラル分が少ない水」つまり「軟水」は、確かにおいしい水です。
衛生的でミネラル分の豊富な水でも、透明なペットボトルやポリタンクに貯蔵したのでは、内分泌角乱物質が水に溶け出してくる。
日本の河川の水は、アメリカやカナダと比べると、極端にマグネシウムが低いことがわかります。生活が低マグネシウムになれば、様々な病気を誘発することになります。
「水のアルカリ度(硬度)が高ければ、脳卒中の死亡率が少ない。水の濃度とは、飲料水中のカルシウムイオンとマグネシウムイオンの合計量を、これに対応する炭酸カルシウムの濃度(ppm)で表したものです。硬度は高ければ硬水、低ければ軟水となります。
水の硬度の高い地域では、脳卒中や虚血性心疾患(心筋梗塞)による死亡率が低いという報告が発表されています。脳や心臓の血管の病気は、水の硬度により発病の影響を受けるということです。アメリカの週刊誌『タイム』も「硬い水は血管を柔らかくする」というタイトルで報じました。
1985年に環境庁は「名水100選」を指定
1990年に農林水産省「ミネラルウォーター類の品質表示ガイドライン」では、4つの種類が示されています。
①ボトルドウォーター
②ナチュラルウォーター
③ナチュラルミネラルウォーター
④ミネラルウォーター
日本は火山国であるため、火成岩の地層を通過してくる地下水はミネラルの少ない軟水が多くなります。ヨーロッパは水成岩の地層のため、様々なミネラルを多量に含んだ硬水になります。
カルシウムとマグネシウムは、たくさん摂取すればよいというものでもありません。過剰な摂取やバランスを欠いた摂取は問題です。マグネシウムとカルシウムの理想的な摂取はどうあるべきか。
名水の選び方のポイント
表示をよく見て、ミネラル含有量が多いものを買う。硬度が300以上の硬水は、常温で飲むと苦味を感じるが、冷水で飲むと味の特徴がわかりにくく、次第に味に慣れてくる。ミネラルの中では特にマグネシウムが多いことに注目する。
ペーハー(pH)7.0〜7.5mgの弱アルカリ。人体の体液に近い弱アルカリが健康的。
殺菌方法に注目する。ヨーロッパの名水のように無殺菌が基本。日本では殺菌処理するので、本来のおいしさが減り、ミネラル分が減少する。
メーカー。メーカーが大きければ、製造方法においても信頼度が高いが、中には地域限定にも良いものがある。
安井昌之『一生を決める一杯の水:良い水悪い水の見分け方』中経出版、2002年、223頁